行政書士の年収が500万円未満多数の理由

2011年の2月、読売新聞において、行政書士の年収に関わる興味深い記事が掲載されました。

法律関係の事務所に勤務する23歳の女性は、法律の勉強が好きだったこともあり、学生時代に行政書士の資格を取得していました。しかし、就職直後に襲ってきたのが、生活苦でした。彼女の場合、月給は額面上でおよそ12万円、手取りになると10万円を切っていたそうです。奨学金の返済もあったことから、就職してからたった1ヶ月後、週末に派遣型風俗店で勤務することを決めました。結果的に、週末だけで、昼間の収入を超えることになったのです。彼女は本業だけで食べていけることを切望し、いつかは地元で法律関係の仕事に就くことを考えていますが、現状において人口数万の地域では、その手の職業はないということでした。

なぜ苦労して資格を得たにも関わらず、このような事態が発生するのでしょうか。

行政書士の実態調査結果があります。
3399人を対象とした場合の年間売上高として、行政書士においての500万円未満では、平成20年度の段階で、約76%と算出されています。ここで肝心なのは、あくまで「売り上げ」だということで、経費を差し引いた利益を考えると、言わずもがなということです。行政書士の年収を考えた時、「食べていけない」という認識が広まっているのは、このためです。

行政書士は供給過剰だと言われている職業でもあります。供給調整が上手くなされていないこともまた、その一因であると考えられるでしょう。大都市であっても継続が難しい事業であるため、地方では尚更そうした傾向が顕著となっているのです。

また、コストダウン競争が激化していることから、行政書士としての業務には既に値崩れ状態なものも多数存在しています。年収は低下する一方であり、廃業率も非常に高いです。

行政書士として、安易な考えでの開業は無謀であり、無意味に金銭を浪費することにも繋がりかねません。読売新聞の記事の女性のように、確固たる目標を抱いていないと、モチベーションの維持が難しい職業だとも言えるでしょう。